会社に依存しない生き方を探して
「また今日も、周りに気をつかいすぎて疲れちゃったな…」
会社の帰り道、夜風が少し冷たくて、肩にかけたバッグがずしりと重たく感じました。
私は29歳、事務職として働いている。
昔から、ちょっとした表情や声のトーンに敏感で、相手の気持ちを考えすぎてしまう性格。
いわゆるHSP気質だと気づいたのは、ここ数年のことでした。
上司のちょっとしたため息や、同僚が少し苛立っているときの空気。
そういうものを敏感に受け取ってしまって、必要以上に自分を責めてしまう。
「私が何か悪かったのかな?」
「どうしたら相手の気分を和らげられるかな?」
気をつかううちに、気づけば毎日ぐったり。
帰宅したらベッドに倒れ込んで、スマホを眺めるのが精一杯でした。
でも、そんな中で心を支えてくれたのが、InstagramやXで見つけた「フリーランスWEBデザイナーさんたち」の存在でした。
おしゃれなカフェでノートPCを広げて仕事をしていたり、
平日の昼間に旅行を楽しんでいたり。
「こんな自由な働き方ができるんだ…」
その姿に、心がふっと軽くなるのを感じたんです。
私もいつか、会社に依存せずに、自分の力で働けるようになりたい。
そう思った瞬間、胸の奥で静かに熱が灯るような感覚がありました。
夜のひとり時間、デザインの世界に没頭する日々
フリーランスWEBデザイナーさんたちの投稿を眺めながら、私は思いました。
「私もやってみたい。
でも、私なんかにできるのかな…?」
HSP気質の私は、新しいことを始めるのに人一倍勇気がいります。
失敗するのが怖くて、なかなか踏み出せない。
けれど、会社の人間関係や将来の不安を考えると、このままでいたくない気持ちのほうが強くて。
思い切ってデザインの勉強を始めました。
最初はYouTubeで無料のチュートリアルを見ながらPhotoshopを触ったり、
本屋さんで「はじめてのWEBデザイン」という分厚い参考書を買ったり。
夜ご飯を食べて、洗い物を済ませて、ようやく自分の時間になった22時。
机の上にノートPCを開いて、カフェラテを横に置いて、黙々とデザイン練習をしました。
会社では「頼まれた仕事を淡々とこなす」だけの日々だったけれど、
デザインをしているときは、自分で考えて、自分で形にできる。
「これ、なんか楽しいかもしれない」
そう思えた瞬間は、心が少しだけ自由になった気がしました。
やがて、数ヶ月が経ち、私は小さなポートフォリオサイトを作りました。
自分でデザインしたカフェの架空サイトや、バナー作品を載せたものです。
完成したときは、胸がいっぱいになって涙が出そうになりました。
「やっと、ここまで来られたんだ…」
パソコンの画面に並ぶ作品を眺めながら、自分を少し誇らしく思ったのを覚えています。
でも同時に、心の奥に小さな不安が残っていました。
「これを作っただけで、本当にお仕事につながるのかな…?」
ポートフォリオはできたのに、動けなくなった私
ポートフォリオサイトを公開して、最初の数日は少し浮かれていました。
「これで私も、案件に応募できる!」と胸を躍らせて。
けれど、実際にクラウドソーシングを覗いてみると――そこには想像以上の現実が待っていました。
ひとつの案件に、50人以上の応募。
しかも実績や評価がぎっしり並んでいる人ばかり。
「私みたいに実績ゼロの人が選ばれることなんてあるの…?」
応募フォームを開いても、指が震えてしまって。
プロフィール文を書きかけては消して、また書いては消して。
結局、送信ボタンを押せずにページを閉じてしまいました。
「せっかくポートフォリオを作ったのに、これじゃ意味がないよね…」
自己嫌悪で胸がぎゅっと締め付けられるようでした。
SNSでも発信を始めてみたけれど、投稿に付くのは数件の「いいね」だけ。
同世代のフリーランスさんが「初案件取れました!」「月10万達成!」と報告しているのを見ると、心がざわざわしました。
「どうして私は前に進めないんだろう」
「努力が全部空回りしてる気がする」
夜中、布団に入ってからも、心臓の鼓動が早くて眠れないことが増えました。
頭の中では「もっと頑張らなきゃ」と「もうやめちゃおうかな」が交互に繰り返されて、心がぐちゃぐちゃになっていく。
HSP気質の私は、人一倍「失敗」や「拒絶」が怖くて。
一度も行動できないまま、数週間が過ぎてしまいました。
私を動かしてくれた出会い
そんな停滞の中、ある夜いつものようにSNSを眺めていたときのこと。
ふと目に飛び込んできた記事がありました。
“実績ゼロからでも、最短で案件を獲得できる”
“営業が苦手でも行動できるメールテンプレート付き”
その文字を見た瞬間、心の奥で何かがチクリと反応しました。
「これって、まさに私のことじゃない…?」
でも同時に、不安も湧き上がってきます。
「またただの情報商材だったらどうしよう」
「結局、私にはできないんじゃないかな」
ページをスクロールしながら、心臓がドクドクと高鳴るのを感じました。
けれど、紹介されていたインタビュー動画を見て、少し気持ちが変わったんです。
駆け出しのWEBデザイナーさんが、たった27日で20万円の案件を獲得した話。
画面の向こうの彼女は、特別な天才ではなく、むしろ私と同じように不安を抱えていた普通の人でした。
その姿を見て、気づいたんです。
「私も、このまま立ち止まっていたら何も変わらない」
「でも、誰かの“正しい道しるべ”があれば、きっと一歩踏み出せるかもしれない」
気がつけば、私は購入ボタンを押していました。
指先が少し震えていたけれど、不思議と胸の中には安心感が広がっていきました。
まるで「やっと、迷子の私に地図が渡された」みたいな感覚でした。
震える指で送った、はじめての営業メール
それから、私の夜の時間は少しずつ変わっていきました。
テキストを読みながら、自分に足りなかったものが次々と見えてくる。
特に「営業メールのテンプレート」は、まさに私が怖くて動けなかった部分に答えをくれました。
それまでの私は「営業=売り込み」「迷惑をかけるもの」だと思い込んでいたんです。
でもそこに書かれていたのは――
- 必ず相手のサービスについて言及すること
- 相手にとっての“理想の未来”を描いてあげること
- その未来を叶える手段として、自分のスキルを提案すること
読みながら、「あ、営業って“押し売り”じゃなくて、“お手伝いの提案”なんだ」と、肩の力が少し抜けました。
そして、いよいよ最初の一通を送るとき。
キーボードを打つ指が、信じられないくらい震えました。
「送信」を押すまでに30分。
心臓はドラムのように鳴っていて、手汗でマウスが滑りそうでした。
でも、送信した瞬間、不思議と胸の中に小さな灯りがともったんです。
「やっと、私も一歩踏み出せた」って。
数日後。
スマホに新しい通知が届きました。
――「ご提案ありがとうございます。ぜひ一度、お話を伺いたいです」
その文字を見た瞬間、全身が熱くなって、思わず涙がこぼれました。
「私、本当に返事をもらえたんだ…!」
その後、ZOOMでの打ち合わせ。
声が震えていたけれど、相手の方は優しく話を聞いてくださって。
そして――私の人生初の案件が決まりました。
小さなバナー制作のお仕事。報酬は1万円。
金額よりも、「誰かに必要とされた」という事実が、私の心を大きく支えてくれました。
その後もノウハウを実践し続け、SNSでの発信を整え、メール営業を少しずつ増やしていきました。
すると次第に「お問い合わせ」が増えてきて。
画面越しに「あなたにお願いしてよかったです」と言われた瞬間。
心の奥で「ずっと欲しかったもの」をやっと受け取れた気がしました。
HSPの私でも、自分のペースで働ける未来へ
初案件を終えて、次の案件も無事に納品できた頃。
私はふと、カフェの窓際に座りながらノートPCを開いている自分に気づきました。
「…あの頃、憧れていた姿に、少し近づけているかもしれない」
会社の人間関係に気をつかいすぎて、帰宅するとぐったりしていた日々。
誰かの機嫌に振り回されて、自分の価値を見失いそうになっていた日々。
でも今は、画面の向こうのクライアントさんと、
「もっと集客を伸ばすにはどうしたらいいか」
「お客様に伝わりやすいデザインはどんなものか」
そんな前向きな会話を交わせている。
それは決して「完璧だから」ではなくて、
“型”が背中を支えてくれているから。
迷ったらテンプレートに立ち戻れる。
不安になったらサポートに相談できる。
そう思えるだけで、HSPの私でも安心して進めることができました。
やがて、心の中でこんな変化も。
「私はもう、“ただの作業者”じゃない。
クライアントに未来を提案できる“パートナー”になれている」
案件が続くうちに、少しずつ生活も整ってきました。
以前は「会社に行きたくない」と布団の中で泣きそうになっていた朝も、
今は「今日も進めよう」と自然にPCを開ける。
夜は、心地よい疲れと共に眠りにつける。
HSPの私にとって、それはなによりも大切な“安心”でした。
これからも、きっと不安になる日はあると思います。
でも、あの日あの時に一歩踏み出した自分がいる限り、私は何度でもやり直せる。
静かに、でも確かにそう思えています。
HSP気質の私は、人一倍不安を感じやすい。
でも、その不安を乗り越える方法を知った今、
フリーランスとして働くことが「怖いこと」ではなく、「希望ある未来」に変わりました。
あなたも、きっと同じように歩けるはずです。
一歩踏み出した先には、安心しながら自分のペースで働ける毎日が待っています。
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